年代測定および古環境推定に用いるための黒曜石水和層法の研究を行った。従来用いられているプレパラート法による水和層厚の計測を行った。計測値のばらつきをサンプル内とサンプル間で比較し、信頼性の高い計測値を選びだす方法を示した。北海道の完新世の遺跡から抽出したサンプルを用いて、信頼性の高い計測値を選択し、遺跡の年代推定を行った。また、温度が水和層を発達させる要因となることから、近年用いられているロジャースの公式から水和層の形成に影響する温度を推定した。推定された温度からは、古気候および埋没環境が温度推定に与える影響が示唆された。
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