本研究は、歩行中の障害物回避動作における下オリーブ核-登上線維系破壊の影響を調査した。その結果①平面歩行において、破壊後はつま先の過度な拳上とストライドの短縮、遊脚相中の膝関節および足関節の過度な屈曲が観察された。また、破壊後の外側広筋では遊脚相後半の筋活動が観察されなくなり、大腿二頭筋では離地時の筋活動が観察されるようになった。破壊後の腓腹筋では、接地相中の筋活動休止時間および遊脚相後半の筋活動時間がそれぞれ延長した。②障害物回避において、破壊後は不安定なつま先軌道を示した。その場合、回避肢の外側広筋、大腿二頭筋、前脛骨筋、腓腹筋において、破壊前とは異なる筋活動が観察された。
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