絶食が尾隠し行動に与える影響－行動性体温調節のメカニズムと性差の解明－

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 24800047
• 研究種目: 研究活動スタート支援
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 神経科学一般
• 研究機関: 高知大学
• 研究代表者: 内田 有希 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (50634002)
• 研究期間 (年度): 2012-08-31 – 2014-03-31
• キーワード: 行動性体温調節 / 女性ホルモン / 摂食ペプチド / 寒冷環境 / グレリン / 尾部皮膚温 / 脳 / エストロゲン

研究概要

体温調節は震え等の「自律性体温調節」と、衣服の着脱などの「行動性体温調節」に分類される。自律性体温調節と比べ、行動性体温調節のメカニズムは不明な点が多い。本研究では自然な行動性体温調節の新たな指標として、寒冷時にラットで観察される「尾隠し行動（尾を体幹下に隠す行動）」を用いた。絶食、摂食ペプチドのグレリン、女性ホルモンのエストロゲンは寒冷時の尾隠し行動を修飾することを明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] Relative importance of different surface regions for the rmal comfort in humans (2013)
  • 著者名/発表者名: Nakamura M, Yoda T, Crawshaw L. I, K asuga M, Uchida Y, Tokizawa K, Nagash ima K, and Kanosue K
  • 雑誌名: European Jour nal of Applied Physiology 巻: Vol.113 ページ: 63-76
  • 査読あり
• [雑誌論文] Exercise an d Thermoregulation (2012)
  • 著者名/発表者名: Nagashima K, Tokizawa K, Uchida Y, Ma tsuda-Nakamura M, and Lin CH
  • 雑誌名: The Journal of Ph ysical Fitness and Sports Medicine 巻: Vol.1 ページ: 73-82
  • 査読あり
• [雑誌論文] Ghrelin induces time-dependent modulation of thermoregulation in th e cold (2012)
  • 著者名/発表者名: Tokizawa K, Onoue Y, Uchida Y, and Nagash ima K
  • 雑誌名: Chronobiology International 巻: Vol.29, No.2 ページ: 736-746
  • 査読あり
• [雑誌論文] Tail position affec ts the body temperature of rats durin g cold exposure in a low-energy state (2012)
  • 著者名/発表者名: Uchida Y, Tokizawa K, Nakamura M, Lin CH, and Nagashima K
  • 雑誌名: Journal of Comparative Physiology–A 巻: Vol.198, No.2 ページ: 89-95
  • 査読あり
• [学会発表] Effect of systemic ghrelin adminis tration on tail-hiding behavior in a cold exposure in male rats (2014)
  • 著者名/発表者名: Uchida Y, Osako Y, Nagashima K, and Yuri K
  • 学会等名: 第91回日本生理学会大会
  • 発表場所: 鹿児島大学郡元キャンパス, 鹿児島
  • 年月日: 2014-03-18
• [学会発表] 女性ホルモンと女性の体温調節 (2013)
  • 著者名/発表者名: 内田有希
  • 学会等名: 第19回「性と生殖」公開シンポジウム人間科学における生命研究の最前線
  • 発表場所: 早稲田大学国際会議場, 東京
  • 年月日: 2013-12-21
  • 招待講演
• [学会発表] 雌ラットにおけるエストロゲンの寒冷時体温調節行動への影響 (2013)
  • 著者名/発表者名: 内田有希, 大迫洋治, 山口奈緒子, 永島計, 由利和也
  • 学会等名: 第52回日本生気象学会大会
  • 発表場所: 米子市文化ホール, 鳥取
  • 年月日: 2013-11-02
• [学会発表] エストロゲンが雌ラットの尾隠し行動に与える影響 (2013)
  • 著者名/発表者名: 内田有希, 大迫洋治, 山口奈緒子, 永島計, 由利和也
  • 学会等名: 第8回環境生理学プレコングレス
  • 発表場所: 東京女子医科大・早稲田大学連携生命先端医科学研究施設, 東京
  • 年月日: 2013-03-26
• [学会発表] 女性ホルモンと体温調節に関する研究のご紹介 : シンポジウム「様々な気象環境下における暮らしの中の女性の健康」 (2013)
  • 著者名/発表者名: 内田有希
  • 学会等名: バイオクリマ研究会第16回研究成果発表会 (NPO法人バイオクリマ研究会)
  • 発表場所: いであ株式会社GEカレッジホール, 東京
  • 年月日: 2013-03-02
  • 招待講演
• [学会発表] Tail position affects the b ody temperature of rats during cold e xposure in a low-energy state (2012)
  • 著者名/発表者名: Uchida Y, Tokizawa K, Nakamura M, and Nagashima K
  • 学会等名: 第51回日本生気象学会大会
  • 発表場所: キッセイ文化ホール, 長野 (日本生気象学会大会奨励賞受賞講演)
  • 年月日: 2012-11-10
• [図書] The Role of Estrogen in Mod ifying Thermoregulation and Related B ehavioral Responses (ISBN 9784657135117) (単著, 欧文) (2013)
  • 著者名/発表者名: Uchida Y
  • 総ページ数: 136
  • 出版者: 早稲田大学出版部
• [図書] 徹底分析シリーズ周術期の低体温[基礎編]呼吸・循環への低体温の影響"体温の低下に対して変化は一様ではない医療の介入や薬物による反応の増強に注意", LiSA (Life Support and Anesthesia) Vol.19, No.1 (共著、和文) (2012)
  • 著者名/発表者名: 永島計, 時澤健, 内田有希
  • 総ページ数: 14-17
  • 出版者: メディカル・サイエンス・インターナショナル
• [備考] 本研究に関する研究内容が評価され、第51回日本生気象学会大会研究奨励賞を受賞 した。
• [備考] アウトリーチ活動として研究に関するコ ラムを執筆した。 内田有希, Vol.2寒さと女性の体温調節「女性のための生気象学 わたしてんき」コラム BioWeather service健康&天気予報(いであ株式会社) 2014年2月28日掲載
  • URL: http://www.bioweather.net/column/woman/woman002.html
• [備考] Yuki Uchida Website
  • URL: http://homepage3.nifty.com/neuroendocrinology/index.html