研究課題/領域番号 |
24800055
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
谷口 和弘 広島市立大学, 情報科学研究科, 講師 (30448047)
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研究期間 (年度) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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キーワード | 咀嚼計測 / 外耳道の動き計測 / 入力装置 / ウェアラブル / ハンズフリー操作 / 医療福祉機器 |
研究概要 |
本研究の目的は,コンピュータネットワーク化と少子高齢化が進む現代社会に好適なヒューマンマシンインタフェースの研究開発を行うことである.具体的には,表情の変化による外耳(耳の中)の動きを光学式距離センサで計測することで表情で電子機器を操作する装置(愛称:みみスイッチ)の研究開発を行う.みみスイッチの特徴は,文化の差異や障がいの有無に関係なく誰でも使用でき,常時装用してハンズフリーでいつでも・どこでも使用でき,使用者のプライバシーを侵害せず見守り支援できることである.これらを実現するため以下の3点を当該研究期間内(平成24年度と平成25年度の2年間)での最低限の実施項目とする. 1)外耳の動きを高精度にセンシングすることができるセンサシステムの開発 2)外耳の動きから精度よく表情推定可能なアルゴリズムの開発 3)本研究成果を用いた社会的に有用なアプリケーションの開発 平成24年度は,問題点である「外耳の動きを高精度でセンシングできていない」ことと「外耳の動きのセンシングデータから表情を正確に推定できていない」を解決するため,「センサの改良」と「アルゴリズムの改良」を行った.センサの改良においては,日常生活で本システムを常時使用するために必要な技術として,身体を透過してセンサ精度の低下の原因となる赤外光をカットすることができるセンサシステムの開発を行った.本センサシステムによりユーザは屋外,屋内関係なく常時本インタフェースの利用が可能となる.アルゴリズムの改良においては,外耳の動きから推定した表情のうち咀嚼と会話を峻別するアルゴリズムの開発を行った.このアルゴリズムを応用することによりユーザの咀嚼から食事の間隔や食事にかかった時間などの食事情報を得ることができるため,ユーザのメタボリックシンドロームや拒食症などを分析することで健康管理に役立てることができる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の達成目標としてハードウェア面からは「①外耳動作計測センサの完成」,ソフトウェア面からは「②外耳の動きから表情を推定するアルゴリズムの開発」の2点と,それぞれを統合した「③システムの実証実験」を掲げた.平成24年度は①から③のすべての達成目標を順調に達成できた.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は,平成24年度の研究成果を応用して「遠隔で健康診断を行うシステム(遠隔健康診断システム)」の研究開発を行う.しかし遠隔健康診断システム全体を完成するためには,研究予算と研究期間が不十分であるので,本年度は,平成24年度の研究成果(咀嚼推定アルゴリズム)を応用することにより,ユーザの咀嚼から食事の間隔や食事にかかった時間などの食事情報分析システムの構築に注力する.また本年度は研究計画通り「ポータブルオーディオプレーヤ用ハンズフリーコントローラ」の研究開発も行う.
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