本研究の目的は,拡張的活動理論を理論的枠組みとして,異文化間の教師の教育観に配慮した国際交流学習の要件を提示することである.日本とインドの学校間の国際交流学習の実践事例を対象とし,分析した.分析の結果,国際交流学習を実践する教師と授業実践に関わる組織・コミュニティの関係構築の特徴を明らかにし,その上で「空間的な境界を越える関係性の構築」「役割の変化とそれに基づいた支援体制の構築」の2つの要件を示した. 今後の研究課題は,本研究で得られた知見を他の事例において検証すると同時に,状況論・活動論の視座からさらに本知見を精緻していくことである.
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