本研究では、認知機能の中でも学力と密接に関わると考えられている実行機能に焦点を当て、小児肥満と実行機能の関係を明らかにすることを目的とした。健康な小学生45名(平均10.5歳)にフランカー課題を行わせ、フランカー課題中の認知パフォーマンス(正反応率と反応時間)と事象関連脳電位のN2成分、P3成分を評価した。その結果、実行機能の要求度が高い課題条件において、BMIが高いほど反応時間が長く、N2振幅が大きく、P3潜時が長かった。これらの結果から、子供の肥満度と実行機能の間にはネガティブな関係がある(肥満度が高いほど実行機能が劣っている)ことが示唆された。
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