研究課題
本研究は,(1)日本人遺体を用いて,アキレス腱の肉眼解剖学的構造を観察・分析し腓腹筋内側頭の効果的・選択的ストレッチング方法を考案することと,(2)健常成人を対象に,考案した方法が妥当であるかを,超音波画像診断装置を用いて羽状角と筋束長の変化を指標に検討することを目的とした.【実験1】対象は,日本人遺体16体25側を用いた.得られた解剖学的所見であるアキレス腱の構造と内側頭の筋束走行から,内側頭の付着する腱線維束をよりストレッチングするためには,足関節を内反させることが効果的であると考えた.従って,膝関節伸展・足関節背屈に,足関節内反を加える肢位を考案した.【実験2】対象は健常成人男性8名,ストレッチング肢位は,コントロール肢位(以下,CST)としてCST1:膝関節伸展0°・足関節背屈10°,CST2:膝関節伸展0°・足関節背屈10°・足関節外反10°,実験1で考案したストレッチング肢位(以下,DST):膝関節伸展0°・足関節背屈10°・足関節内反10°の3肢位を用いて検証した.DSTにおいて,内側頭の羽状角は,他の肢位に比べて有意に減少し,筋束長は有意に増加した.また,DSTにおいてのみ,外側頭に比べて内側頭の羽状角が有意に減少し,筋束長が有意に増加した.解剖学的,運動学的検証により,膝関節伸展・足関節背屈に足関節内反を加えた肢位が,内側頭の効果的・選択的ストレッチングとして有効であることが明らかにできた.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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