研究課題
運動トレーニング(Tr)による有酸素性代謝能力の向上には、酸素を利用するミトコンドリアのみならず、筋細胞内においてミトコンドリアへの酸素運搬を担うミオグロビン(Mb)も増加させる必要がある。ミトコンドリア生合成にはミトコンドリアのマスターレギュレーターと言われるPGC-1αが重要な働きを担う。もしMbの生合成もPGC-1αによって調節されているのであれば、Trに由来するミトコンドリアタンパク質とMbの発現量増加に関してはPGC-1αを標的タンパクとしてTrを実施すれば良いと考えられる。しかしながら、Tr由来のMb発現量の増加にPGC-1αの発現量が関与するのか否かについては不明であった。したがって、本年度はpgc-1α発現量がmb発現量を制御しているのかについて検討するために、マウス筋芽細胞(C2C12)を用いてsiRNAによるpgc-1αのmRNA発現の抑制がmbのmRNA発現量に及ぼす影響を検討した。Pgc-1αのsiRNAを導入することによって、pgc-1αのmRNA発現量は40%程度抑制された。その一方で、mbのmRNA発現量はpgc-1αのsiRNAによる影響を受けなかった。したがって、TrによってMb発現量が増加する生合成メカニズムには、PGC1-αの発現量は関与しない可能性が示唆された。本年度はmRNAレベルでの検討に終始しているため、今後はタンパク質レベルにおける同様の検討や、量的な観点だけではなくキーとなるタンパク質の活性化の程度についても検討する予定である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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