本研究では、アスレチックトレーナーに対してインタビューを実施したデータを基に、スポーツリハビリテーションコーピング予測スケール(SRCES)の作成を行った。本研究で作成されたSRCESをアスリートに初期段階で記入してもらい、スポーツ医学のスタッフが、受傷選手のコーピングスキルを把握し、適切にサポートを提供できるようになることを目的としている。 本研究の対象者は4週間以上のリハビリテーションを必要としている高校生以上の受傷選手である。そのため、高校生でも理解できるような質問内容であるか確認し、質問紙の信頼性と妥当性を高めるために、スポーツリハビリテーションの経験をもつ理学療法士と社会心理学を専門としている研究者に内容を確認していただいた。 今回作成をしたスケールでは、65項目の質問項目を10分野に分類した。リハビリテーションや試合、練習における「積極性」、「回避」、「継続力」、「調整力」、「理解志向性」、「他者思考」、「依存性」、「自己開示」、「楽観性」、「責任転嫁」である。理解志向性では、「自分の技術が向上するように、本や雑誌を読んでいる」や「自分の怪我やリハビリテーションに関してわからないことがあれば、本や雑誌を読んで理解しようと思う」などがの質問項目である。また、積極性では「自分から進んで練習を行う」、「自分から進んでリハビリテーションをしていくと思う」などの項目内容から構成されている。 SRCESのデータをスポーツクリニックで収集するために、調査の手続きなどを、現場で働いているリハビリのスタッフと話しあい、データの収集の準備の体制を整えた。
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