研究課題
視床下部の発生機構の解明、およびこれまでに知られていない視床下部神経細胞の機能の解明を研究目的として実験を行った。平成25年度の研究実績として、引き続きPtf1a遺伝子発現細胞系譜を標識し分子マーカー等を用いてその形質を解析し、Ptf1aノックアウトで発現が変化する遺伝子群について調べた。また、Ptf1a完全欠失アリル(Ptf1a Δ)を用いて新たにコンディショナルノックアウトマウス(cKO)を作成したところ、これまで観察されていた表現型とは若干異なることがわかった。具体的な遺伝子型は、従来のものがPtf1a flox/yfp; Nkx2.1-creで、新たに作成したものがPtf1a flox/Δ; Nkx2.1-creである。Ptf1a yfp/+; Nkx2.1-creの遺伝子型においても野生型とは異なる表現型がみられたため、今後は新たに作成したcKOを用いて解析することにする。これまでに確認された表現型としては、①雌雄ともに不妊(雄で外性器発達不全、停留睾丸、雌で子宮発育不全)、②雌で体重増加(雄では変化無し,高脂肪食飼育下でも同様)、③エネルギーバランスについては、雌雄ともに摂食量(Food intake)に変化は無く、暗期に活動量(Locomotor activity)が低下していた。総酸素消費量(O2 consumption)については機材のセットアップ中であるため、これから解析を行う。おそらく、雌雄ともに基礎的なエネルギー消費が低下していると考えられる。また今後は、最近の神経科学的手法として脚光を浴びている光遺伝学(Optogenetics)、薬理遺伝学(Pharmacogenetics)を用いるためのPtf1a遺伝子改変マウスを作成したので、これらのマウスを用いてPtf1a遺伝子発現細胞系譜が持つ機能についても解析していく予定である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nature Communications
巻: 5 ページ: -
10.1038/ncomms4337.
Developmental Biology
巻: 381(2) ページ: 401-410
10.1016/j.ydbio.2013.06.022.
http://www.ncnp.go.jp/nin/guide/r_diag/Publications.html