平成25年度の研究実施計画では、大きく分けて以下の3つの事項への取り組みを掲げた。①本研究課題に必要なアラビア語及び欧語資料の蒐集・整理・分析、②西アフリカの金産地におけるイスラームと現地信仰との関係を巡る論文の執筆、③ガーナもしくはナイジェリアにおけるアラビア語資料蒐集を主目的とした現地調査の遂行。 ①については、平成24年度に引き続き、アラビア語及び欧語資料の蒐集を進めると同時に、蒐集した資料群の整理・分析を行った。 ②については、後出の「研究発表」欄に記した通り、①の作業から得られた知見と昨年度の現地調査で得た情報などをもとに、「14世紀のスーダーン西部の金産地を巡る情報操作:マンサー・ムーサーの語りの分析を中心に」(『アジア・アフリカ言語文化研究』86号、2013年、55-80頁)を含む合計3本の論考を発表した。 ③については、平成26年2月下旬から3月上旬にかけて、ナイジェリアのイバダン大学におけるアラビア語写本・刊本調査を行った。この現地調査で渉猟した資料の内容及び①の作業から得られた知見などをもとに、平成26年5月に日本アフリカ学会での口頭発表を行う予定である。
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