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2012 年度 実績報告書

時計遺伝子Periodの転写制御に関する新たなフィードバック機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 24810009
研究機関金沢大学

研究代表者

高畑 佳史  金沢大学, 自然システム学系, 助教 (60635845)

研究期間 (年度) 2012-08-31 – 2014-03-31
キーワード時計遺伝子 / 概日リズム / 転写制御因子 / ネガティブフィードバック機構
研究概要

地球上の多くの生物には、睡眠覚醒や体温、血圧、ホルモン合成や免疫機能など様々な生理現象を支配する約24時間の概日リズムが見出される。哺乳類の体内時計の振動の自律性は、時計遺伝子群の機能に依存した複数の転写のネガティブフィードバック機構を基盤としている事が明らかとされているが、現在知られている転写フィードバック機構の解析だけでは概日リズム発振の分子機構を過不足無く説明する事はできない。そこで、本研究では時計遺伝子Periodに着目し転写制御に関する新たなフィードバック機構の可能性を検討した。
本年度は振動性を示す時計遺伝子からBmal1のプロモーター上に結合する新規転写因子を同定した。さらにこの新規転写因子はPeriodと相互作用することでCry非依存的にBmal/Clockによる転写を抑制することが明らかとなった。
一方でPeriodはカゼインキナーゼによりリン酸化を受けタンパク質分解へと導かれるが、この新規転写因子はPeriodタンパク質の安定性を増加させている事が明らかとなった。これらの事実は、時計遺伝子Periodの既知の機能として知られているPer/Cryによる抑制系とは全く異なる新知見である可能性が示唆される。今後はこのCry非依存的なPeriodによる転写抑制系のさらなるメカニズムを追求し生物の行動を支配する時計機能のシステムを明らかにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究では時計遺伝子Periodをターゲットとして 、新たな転写制御機構を発見し、生物の行動を支配する時計機能のシステムを明らかにすることである。当初の計画では初年度はPeriodと相互作用しそうなタンパク質をスクリーニングし新たな抑制系のフィードバック機構を探索する予定であったが、初年度の段階で既にその分子を発見しまたCry非依存的な抑制系のメカニズムにまで踏み込んだ解析を行ったので、当初の計画以上に本研究は進展していると考える。

今後の研究の推進方策

時計遺伝子Period(Per1)のプロモーターにルシフェラーゼを連結させたリポーター遺伝子 (Per1::luc)をNIH3T3 細胞に遺伝子導入を行い、さらに各種時計遺伝子Per2, Cry1, CK1ε およびBMAL1プロモーター上に結合する新規転写因子も同時に遺伝子導入することで、Bmal1/ Clock複合体によるPer1::luc誘導活性を抑制した。この転写誘導の抑制メカニズムを解明するため、Bmal1/Clock複合体に対するPeriodの結合性を新規転写因子が調節している可能性を検討する。さらにCry非依存性の転写フィードバック機構の解析を行うためPeriodのCry結合ドメインの変異型ベクターを作成する。
また、Period2のC末端側にGFPタグを付けたベクターを作成し、Period2::GFPおよび新規転写因子を共発現させPeriodタンパク質での細胞内局在変動蛍光顕微鏡を用いて解析を行う。

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公開日: 2014-07-24  

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