本研究では、ケイ素版グラフェンといえる新しい二次元材料「シリセン」の結晶・電子構造を原子や分子の吸着・反応により制御するための指導原理を実験的に得ることを目的とした。二ホウ化ジルコニウム薄膜上に形成されたエピタキシャルシリセンにカリウムを蒸着したところ、構造の変化は認められなかったが、カリウム原子からシリセンへと電子が供与され、基板である二ホウ化物の表面電子状態とシリセンのパイ電子状態との間の混成が強まるのが観測された。また、水素化を試みたところ、シリセンの内部構造を大きく変えることなくキャッピング層が形成されることが示唆された。
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