ネオジム及びイッテルビウムを用いた放射光メスバウアー吸収分光法のための測定系の開発に取り組んだ。メスバウアー分光法は原子核を利用した電子状態の調査法であり、物質の元素ごとの電子状態を調べることができる。ネオジムもイッテルビウムもレアアースであり、磁石材料などに使われる重要な物質でありながら、従来の同位体線源を使うメスバウアー分光法では線源の調製に難があった。線源に放射光を用いることでこの問題を解決すべく、放射光用にさまざまな測定系開発を行い、イッテルビウムの放射光メスバウアー吸収分光での強度の大幅増大に成功した。ネオジムについては測定強度の評価を行い、毎秒1.5カウント程度の強度が実現できた。
|