本研究はコモンズのオープンアクセス化の具体的手法として、近年日本国内で爆発的に増加しているフットパスに注目して研究を進めてきた。日本の集落には、里道・林道・農道などの集落住民の利用しか想定していない空間が存在している。このような道は集落住民の手によって、維持・管理されてきたのであるが、この集落内の道をオープンアクセス化することによって、新たなコモンズとして有用な地域資源とするのがフットパスである。しかし、住民の生活空間を歩くため、地域社会の理解が必要となってくる。フットパス発祥の地であるイギリスの「歩く権利=万人に開かれた通行権」とは異なる、制度設計が必要であるというのが、新たな課題である。
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