研究課題
ECRイオン源の設計指針構築に向けて,有限要素法による磁場設計を行った.将来の超小型化を目標としているため,永久磁石のみで1対のリング状磁石および多極磁石(6および8極)を設計した.しかしながら,これまでの研究において,開発初期においては微調整用の電磁石が必須であることが分かっており,3個の電磁石を加える構成とした.マイクロ波は一般的な2.45GHzおよびそれに比べて多価イオン生成効率向上が期待できる4.0~6.0GHzを採用する設定とした.これらの条件に対してシミュレーションを行い,径方向および軸方向の設計を行い,国際会議で発表を行った.今年度,2つめの課題であるチャンバー構造の検討においては,マイクロ波導入側のマイクロ波シールドおよびバイアス電極をそれぞれ独立の可動式とし,引き出し電極の位置も可変とする設計を提案した.これらにより,マイクロ波モード制御およびミラー磁場との相対位置による多価イオン生成効率を最適化することができる.3つめの課題であるナノ材料プロセスの検討は,薄膜作製が容易なフラーレンへのビーム照射を行った.ECRイオン源を用いて鉄イオンを生成し,フラーレン薄膜へ照射することで,これまで報告されていない鉄内包フラーレンの生成を試みた.その結果,まだ生成量は少ないものの,質量分析ではFe+C60が検出された.また,前年度の課題であったフラーレンプラズマの挙動解析を引き続き行い,ECRイオン源内でのフラーレンの解離抑制実験を行った.3種類の希ガスを混合したところ,Heを混合するとフラーレンの解離が抑制されることを明らかにし,論文発表を行った.これらの知見をもとにして,超小型ECRイオン源の開発プロジェクトを計画する予定である.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件)
Review of Scientific Instruments
巻: Vol.85 ページ: 02A936-1-3
10.1063/1.4847255
巻: Vol.85 ページ: 02A940-1-3
10.1063/1.4847235
巻: Vol.85 ページ: 02A945-1-3
10.1063/1.4850756
巻: Vol.85 ページ: 02C317-1-3
10.1063/1.4862212