研究課題/領域番号 |
24810032
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研究機関 | 総合地球環境学研究所 |
研究代表者 |
佐々木 夕子 総合地球環境学研究所, 研究部, 研究員 (30635074)
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研究期間 (年度) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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キーワード | 地域開発援助 / 住民参加 / 社会ネットワーク / 情報伝達 / 技術普及アプローチ |
研究概要 |
本研究は、西アフリカ内陸部半乾燥地(サヘル地域)での砂漠化対処や地域開発支援の基本となる情報伝達構造を解明し、実践的な技術普及アプローチを形成することを目的とし、西アフリカ・サヘル地域に位置するニジェール共和国南西部、サイ・コミューンを研究対象地域とする。 平成24年度は、以下の取り組みの成果を得た。 (1) ネットワークの結節点となる人物への技術の導入と波及効果の把握; 社会ネットワーク調査のモデルケースであるフィナレ村において、ネットワークの結節点となる人物への技術導入後の波及効果を現地の聞き取り調査、モニタリングから把握した。これまでのところ新たな技術導入者は見られない。 (2) フィナレ村の周辺村落における社会ネットワーク調査の実施; フィナレ村から10km圏内に位置する新たな2村落(ドゥッゲル・バーニズンブ村、トカイ村)において、ベースライン調査(世帯の家族構成、年齢、性別、民族、栽培作物、家畜数、畑の筆数、仕送りの有無など)と、社会ネットワーク調査(情報ネットワーク、信頼のネットワーク、オピニオン・リーダー)を実施し、各ネットワークにおける結節点となる人物を明らかにした。 (3) 社会的弱者層の把握 ; 調査対象村落における一連の社会ネットワーク調査により、寡婦世帯や老人世帯といった社会的弱者世帯の存在を把握することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究活動は概ね予定通り進捗している。2013年2月以降、隣国マリの内戦の影響を受けて、ニジェールにおける治安状況も急速に悪化してしまったため、2013年に入ってからは、村落における現地調査が実質不可能になってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
ニジェール及びサヘル地域諸国の治安状況を鑑みると、当初の計画通りに研究活動を進めることが難しくなると予想される。それでも、首都ニアメへの渡航は今のところ可能であるので、調査助手に現地調査、モニタリングを依頼し、技術の普及状況を把握することは可能である。いずれにしても、現地の治安状況をみて、今年度も柔軟に対応していきたい。
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