中国ムスリム(漢語を日常語とするムスリム)による、中国の諸現実との対話にもとづくイスラームの再解釈(イスラームの「中国化」)が、近代にどのように展開したかを考察した。とくに、中華民国時代の代表的な中国ムスリム学者たちが、中国の近代化や西南アジアのイスラーム改革思想にどのように応答したかを検討した。そして、そのような応答の結果、イスラームの「中国化」の近代的展開として、ムスリムと非ムスリムとの平和的関係の構築を合法化するために、イスラーム法学上の本格的な解釈努力がなされるようになったことを、発見した。
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