『日記』を精査した結果、衣服と織物をゴンクール兄弟が作品の中で頻繁に喚起し、また愛好したのは、それらが彼らが作品によって目指したもの2つを同時に表現しうる特権的な物質であるからであったという結論に至った。そのうちの1つは、歴史家として、小説家として、あるがままの19世紀後半の現代社会の生理学を描くこと。もう1つは、芸術家として色彩の美しさや調和を表現することである。彼らは衣服と織物のもつこれらの特徴を『日記』に迅速かつ敏感に捉えてメモし、その後さらに考察を加え、そしてより確信をもって、小説などの作品において表象したのである。
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