本研究は、日本人としてはじめてピアノリサイタルを行い「ショパン弾き」と呼ばれた澤田柳吉(1886-1936)の音楽活動について調査し、彼の音楽活動の意義を考察した研究である。各機関が所蔵する明治期から昭和初期の音楽雑誌、遺族所蔵の資料、出版譜、手稿譜、音源資料(SPレコード)、ピアノロール、コンクールの審査記録、海外(台北およびサンフランシスコ)における活動記録といった幅広い資料から、彼の音楽活動が洋楽受容の黎明期においてパイオニアとしての役割を果たしていたことが明らかになった。 研究成果は論文2件、研究発表3件、レクチャーコンサート3件、著書1件、CD制作1件として発表した。
|