本研究は、通常は考古学の研究対象である縄文土器の美術としての研究を進展させ、その美を普及することを目的とする。具体的には国内外の博物館や美術館、個人の所蔵する縄文土器のコレクションの形成過程に関する調査と、描かれた考古遺物に関する調査を行った。 本調査により、パリの美術館に明治期の外国人宣教師による蒐集品が展示されている事例や、東京国立博物館に大正時代に縄文時代の遺跡が描かれた大型油絵が所蔵されている事例など、美術と考古学や人類学の境界を示す新資料を確認することができた。本研究成果は、研究論文の刊行や東京国立博物館での特集展示、他館での講演などにより広く公開し、研究目的を達成することができた。
|