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2012 年度 実績報告書

複数財オークションにおける収益単調性についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 24830004
研究機関小樽商科大学

研究代表者

白田 康洋  小樽商科大学, 商学部, 准教授 (80635110)

研究期間 (年度) 2012-08-31 – 2014-03-31
キーワードAuction Design / Revenue Monotonicity / Game Theory / Substitutes / Complements
研究概要

平成24年度は,3つの他の望ましい条件(効率性,戦略的操作不可能性,個人合理性)を満たすオークションルールのなかで,どんなときに財に対する収益単調性(Goods Revenue Monotonicity, GRM)問題が発生するのかを明らかにすることが主な研究の目的であった.
どのような財のオークションに対しても,これらの3つの望ましい条件EFF, SP, IRを満たす唯一のオークションルールとしてVickrey-Clark-Groves(VCG)ルールが知られている.さらにこのVCGルールは財が代替的なときは参加者の数に対する収益単調性も同時に満たすことが知られている.財が代替的であるとは,2つの財があっときにそれぞれ単独に得た場合の効用の和が,同時に手に入れたときの効用よりも大きいような財のことである.
今年度の研究により,まず,どんな場合であっても3条件と本研究が着目するGRM条件を同時に満たすオークションルールは存在しないことが分かった.
さらに財が代替的ある場合には,VCGルールが非常に特殊なケースでしか4条件を同時に満たさないことが示せ,広範囲なケースでVCGルールはやはり上記の4条件を満たさなないことが分かった.
しかし,さらに研究を進めた結果,財が補完的であることが既知である場合においては,4条件を満たすルールが設計可能である場合があることが分かった.
これらの結果は,現実のオークション問題において財に関する収益単調性を考える理論的基礎を与えられたと考えられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度の研究目的であった,3つの他の望ましい条件(効率性,戦略的操作不可能性,個人合理性)を満たすオークションルールであるVCGルールにおいて,どんなときに財に対する収益単調性(GRM)問題が発生するのかを明らかにすることに対して,おおむね研究結果を得られることができた.
これらの結果は,現実のオークション問題を考えるうえで重要な理論的な基礎づけとして次年度の研究に対して有益な結果と言える.
しかし,VCGルールにおいて4条件が同時に満たされる,財に関する一般的な条件に付いては,これからさらに研究を進めていかなくてはならない.

今後の研究の推進方策

今後は,まず,平成24年度の研究を引き続き行う.
これまでの理論研究において分かったことを整理して,さらにVCGルールがGRM条件を満たすことができる財の性質についてさらに一般的な特徴を明らかにする.
次に,今年度の研究目的である,周波数オークション等の現実に行われているオークション問題において,その他の望ましい上記の3条件と同時に,財に対する収益単調性を満たすルールが設計可能かどうかを検証する.
もし可能であれば,既存のオークションルールをどのように修正し設計すればよいのかを理論的に検証し,また不可能であれば,収益単調性を満たす範囲で3条件を緩めることにより設計可能か検証する.
最後に,これらの研究をまとめ論文として国際ジャーナルに掲載するために執筆を進め,また具体的なオークションルールを提言していくことによって成果を社会に還元していきたい.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Goods Revenue Monotonicity in Combinatorial Auctions2012

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Shirata
    • 学会等名
      the Asian Meeting of the Econometric Society
    • 発表場所
      Delhi School of Economics
    • 年月日
      20121220-20121222

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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