研究課題/領域番号 |
24830007
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
横山 ひとみ 東北大学, 電気通信研究所, 産学官連携研究員 (50638517)
|
研究期間 (年度) |
2012-08-31 – 2014-03-31
|
キーワード | 説得 / 対人コミュニケーション・チャネル / 対面コミュニケーション |
研究概要 |
日常生活で意見の異なる相手を説得しなければならない場合は多々ある。良好な人間関係を構築・維持するためには効果的に他者を説得することは極めて現実的であり重要な問題である。本研究では、効果的に他者を説得するにはどうすればよいかという社会的要請に応えるためのトレーニング・プログラム開発の基礎的な知見を提出することを目指す。そのために、説得者と被説得者がどのような対人コミュニケーション・チャネル(言語的チャネル、非言語的チャネル)を使用しているかを検討する。 本研究では、ある話題について互いの意見が異なる2名の参加者はその話題についてコミュニケーションを行う実験室実験を行った。教示によってコミュニケーション後に、説得者と被説得者に分かれる状況を設定した。その際の説得者と被説得者の言語的チャネル(e.g., 発話内容)と非言語的チャネル(e.g., ジェスチャー、視線)を測定した。 研究の結果、他者を説得しようとすると言語的・非言語的チャネルの使用の仕方が変わることが示された。また、他者を説得しようとする際には、コミュニケーション経過時間に応じて、言語・非言語的チャネルを使い分けていることも示された。加えて、他者を説得しようとする行動が相手の意見を変えるために有効に働いている場合と、特に効果を持たない場合、逆の効果を持つ場合もあることが明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、本年度は対面説得場面における2者間のコミュニケーション実験を実施した。参加者の言語的・非言語的行動を測定し、それらのデータを得た。そのデータを分析することで、他者を説得しようとするとどのように人が言語的・非言語的チャネルを用いるのかという問いに答えることができたと考えられる。また、本研究結果を整理し、その結果をしっかりと吟味した。その結果や先行研究を踏まえて、平成25年度の研究実施計画の3者間対面説得事態での結果を予測するに至っており、研究は順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、2者が対面で説得する場面において説得者と被説得者の対人コミュニケーション・チャネルがどのように使用されているかを検討した。平成25年度は、当初の研究計画に則って研究を推進する。すなわち、3者が対面で説得する場合において説得者と被説得者の対人コミュニケーション・チャネルがどのように使用されているかを検討する。この結果を整理し、結果の吟味を行う。 さらに、平成24年度と平成25年度の研究結果を比較検討する。これによって、2者から3者へとコミュニケーション状況を拡張し、結果の一般化が可能であるのかを検討する。この検討によって、2者間と3者間コミュニケーション状況での効果的な説得トレーニング・プログラムを開発するための基礎的な知見を提出できる。 以上の研究成果を国内あるいは国際会議で発表し、さらには論文とする。
|