平成25年度研究実施計画に従って、①平成25年8月19日から9月11日に、ドイツを訪問し、資料調査・インタビュー調査を行うとともに、「ヨーロッパ家族法会議」へ参加した。特に、ミュンヘン青少年局を見学することができ、実務家にインタビュー調査を行うことができた。以上のような研究調査を通じて、ドイツの現在の実務状況や最新の議論について知り得た点は大変参考になった。 ②平成25年12月13日及び14日に開催された日本子ども虐待防止学会第19回学術集会信州大会に出席し、報告者及び参加者から、研究遂行に必要な情報及び資料を収集した。特に、事例検討会に参加し、新たに導入された親権停止制度の成果や運用上の問題点などを知り得た点は、研究遂行上非常に役立った。 ③以上の研究調査のほか、平成24年度の研究調査を踏まえた文献調査の結果、親権停止制度と面会交流の関係について検討し、およびドイツにおける親の配慮権の停止と交流権の関係やドイツにおける実務状況の検討した。それらを踏まえて親権停止と面会交流の法的関係について考察し、拙著「親権停止と面会交流」古橋エツ子、床谷文雄、新田秀樹編『本澤巳代子先生還暦記念論文集』(信山社、2014年刊行予定)などを執筆した。 ④平成26年7月27日に開催される茨城大学「愛と傷つきやすさの研究会」と常磐大学国際被害者学研究所の共同セミナーである第9回「愛と傷つきやすさと被害者学の共同セミナー」にて、本研究の成果を「子ども虐待と家族法(Child Abuse and Family Law)」というテーマで報告する。本セミナーは、単に学術関係者のみに対して公開されるわけではなく、広く社会に学術成果を公開するためのものである。そのため、この報告を通して、本研究の成果は広く社会に還元されるものである。
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