TRIPS発行を受けてインドは特許法を改正し物質特許を導入した。2005年の物質特許導入を機に、多くの大手製薬企業がインドへ再参入を果たし、インドの優れた人材、優れた技術を利用して、インドにおける研究開発、製造が始まった。ところが2012年から2013年にかけて①2013年4月のノバルティス社・グリベック裁判にかかるインドの最高裁判所の判決、および、②2012年3月にインドで初めてとなる強制実施権の発令という、2つの大きなイベントがあり、注目を集めた。本研究では、これら2つのイベントにフォーカスを絞り、これらのイベントの、インド製薬産業および世界の製薬産業への影響を精査することとした。
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