研究概要 |
平成25年度の計画は大きく三つであった。1点目は昨年度の業績を海外に発信することである。この点については、一小路(2012)を基に執筆したIchikohji(2013)にて実現されている。具体的には日本のアニメーション産業における情報技術導入について歴史的に振り返ったうえで、情報技術がどのようなタイミングで普及するかについて分析している。 2点目は消費者のイノベーションに関する認識について分析を行うことである。この点については、Ichikohji&Katsumata(2013)にて実現されている。Ichikohji&katsumata(2013)では、低関与層では消費活動とイノベーション活動の間に5%水準で優位な正の関係があるのに対し、高関与層ではその関係性が消えてしまうことを明らかにした。この研究は、消費者行動研究とイノベーションマネジメントの間の橋渡しになるという点に重要かつ意義がある。 3点目はアニメーション産業だけではなく、ゲーム産業へ調査を拡大するということである。一小路・勝又(2014)や一小路・和田・生稲(2013,コンファレンス報告)にて一部実現されている。一小路・和田・生稲(2013)では、ソーシャルゲーム企業のイノベーションシステムについて一小路・勝又(2014)では、ゲームユーザーの新しい情報収集活動について分析している。これらは、最先端の企業・消費者活動を分析しているという点で意義があり、今後の研究にて論文化を目指していく。
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