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2012 年度 実績報告書

知的障害児の数概念と均等配分の発達―言語能力との関連性を考慮して―

研究課題

研究課題/領域番号 24830037
研究機関福井大学

研究代表者

山口 真希  福井大学, 教育学研究科(研究院), その他 (20637623)

研究期間 (年度) 2012-08-31 – 2014-03-31
キーワード数概念の発達
研究概要

知的障害児の数概念発達について言語の発達や均等配分(操作活動)との関係を明らかにするための第1段階のプロセスとして,本年度はまず実験用具のデザイン検討と作成を行った。研究計画に基づきながらも一部デザインを修正し,具体的には均等配分課題を計8課題,計数課題を計8課題,多少等判断課題を8課題作成した。
実験用具の妥当性を検討するために,当初の予定では,中程度知的障害のある特別支援学校中学部在籍生徒10名程度を対象として試行実験を行う予定であったが,より詳細で多面的なデータを得るために一事例の検討に変更した。具体的には,中程度知的障害のある特別支援学校高等部に在籍する生徒を1名とりあげ,調査課題として知能検査である田中ビネーV(2005年改訂版),言語能力を測定するためにPVT-R絵画語彙発達検査を行ったあと,本課題(上記,独自に作成した数概念課題3種類)を実施した。その後は,より生活の文脈に沿ったかたちで均等配分課題を10回実施し,質的なデータを収集した。
得られたデータを言語能力と数概念の関係,言語能力と均等配分の関係,数概念と均等配分の関係という視点で分析した結果,幼児期の発達段階における知的障害のある生徒の認識と数の操作を立体的に捉えることができた。質的なデータも併用することで,知的障害のある子どもがどんな風に数やことばを発達させながら世界の認識を深めていくのか,認知の発達に伴ってどのように生活を変容させていくのかといった重要な手がかりを得られる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は2段階構成とし,本年度はまず実験用具を作成、実施し(第1実験)、その結果を踏まえて次年度に第2実験を実施する計画であった。予定どおり、実験用具についてデザインを再検討したうえで作成し、一事例にはなってしまったが試行実験を行うことができた。ただ、数概念の再定義を検討し、本実験課題で知ろうとする数概念の性質がクリアになった。そのため一事例を対象として質的なデータの収集も行い、多面的に明らかにするための手がかりを得ることができた。

今後の研究の推進方策

今後の展開としては、基本的には実施計画書に基づき、中程度知的障害のある特別支援学校中学部在籍生徒30名程度を対象として本実験を行いたい。事前に担任の先生等より,被験者それぞれの学校における学習内容について聴き取り調査を行うことは予定しているが、それにとどまらず、被験者の学習活動場面を観察するなど、できるだけ質的な情報を収集することも並行して行いたいと考えている。データの分析においても、被験者が課題にどう向きあったのか、どのように課題に取り組んでいたのかといったことも踏まえ、数概念の発達プロセスを明らかにしていきたい。

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公開日: 2014-07-24  

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