研究課題
本研究では,諸機能が老化する中でも決定と選択の意思を持つ感覚と定義される高齢者の心理的自律性に着目し,面接調査と質問紙調査による2つの調査を実施し,その具体的な内容を明らかにし,測定尺度の作成を試みた。調査1では,高齢者20名を対象に半構造化面接を実施した。得られた主な知見は次の通りである。①心理的自律性は,日常生活上あるいは身体・精神面に関して高齢者自身が意識しうるものであることが明らかとなった。ただし,その一部は無意識的あるいは感覚的なものであることも示された。②老いの過程における心理的自律性は,「自らの老いに対する態度」「心理的自律性」の2つの軸から構成されることが示唆された。調査2では,調査1で得られた知見をもとに高齢者用心理的自律性尺度を作成し,高齢者600名を対象に自記式の質問紙調査を実施した。得られた主な知見は次の通りである。①高齢者用心理的自律性尺度は「他律性」「自律性」「老いに対する態度」の3因子構造が妥当であった。ただし,特に他律性に関する定義はさらに検討する必要があると考えられた。②ADLやQOLとの関連では,仮説が一部支持された。次の課題は,自律性,他律性,老いに対する態度の定義と測定方法を再検討しながら,低ADLの対象者をサンプリングすることである。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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広島大学大学院教育学研究科附属心理臨床教育研究センター紀要
巻: 12 ページ: 印刷中
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