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2012 年度 実績報告書

視覚的注意による物体定位バイアスの生起機序

研究課題

研究課題/領域番号 24830054
研究機関山口大学

研究代表者

山田 祐樹  山口大学, 時間学研究所, 助教 (60637700)

研究期間 (年度) 2012-08-31 – 2014-03-31
キーワード視覚的注意 / 空間定位 / 運動知覚
研究概要

本研究の目的は,人間の視覚的空間定位のメカニズムを明らかにすることである。この目的のもと行った本年度の研究成果は,国際専門誌に掲載された2本の学術論文([1]Yamada, Kawabe, & Miura, Neuroscience Letters, 2012; [2]Yamada & Kawabe, PLoS ONE, 2013)によって公表された。
[1]の研究では,実験参加者自身の名前(苗字)を画面上に呈示し,それとは別の瞬間的に呈示された物体の位置の再生を求めると,再生位置が自分の名前に偏るという結果を示した。このことは自分の名前に自動的に向けられる視覚的注意によって視空間が歪められたことを示唆する。また,[2]の研究では,オブジェクトベースの非網膜位相的運動によって瞬間的に呈示された物体の位置の知覚がずれることを示した。この結果は,網膜位相に依存しない,高次の運動処理やあるいは視覚的注意の移動によって視空間が歪められたことを示唆する。
これらは本研究目的における解明の対象となる視空間定位メカニズムにおいて,視覚的注意や高次の視覚処理が重要な役割を果たすことを示しており,今後の研究においても重要な先行知見となった。
さらに,計画書に記載していた「他者の視線が視空間定位に与える影響」に関する論文も国際専門誌にて既に印刷中の状態である(Yamada & Kawabe, Universitas Psychologica, in press)。この研究も空間定位における視覚的注意の重要性を示しており,その意義は大きい。
したがって,以上のことから本研究の進行は順調であると言え,研究費受け入れ期間内に研究目的を達する見込みは大きいと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の欄に報告したように,本研究の進展は順調であるといえる。しかしながら,それらの研究を前倒しにすることで計画書に記載していたTMS実験を翌年度に繰り越すことになってしまったために最大の評価点は付けていない。翌年度はTMS実験をメインに執り行っていくつもりである。

今後の研究の推進方策

TMS実験を行なっていく。倫理審査は既に終えているためこれ以上進行に支障をきたす問題はなく,共同研究者と実験を実施するための調整を完了させ,研究を実行する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Localizing non-retinotopically moving objects2013

    • 著者名/発表者名
      Yamada, Y., & Kawabe, T
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 8(1) ページ: e53815

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0053815

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Gaze-cueing of attention distorts visual space2013

    • 著者名/発表者名
      Yuki Yamada
    • 雑誌名

      Universitas Psychologica

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] One's own name distorts visual space2012

    • 著者名/発表者名
      Yamada, Y., Kawabe, T., & Miura, K.
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters

      巻: 531 ページ: 96-98

    • 査読あり
  • [備考] 山田祐樹

    • URL

      https://sites.google.com/site/jyamadayuk/

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公開日: 2014-07-24  

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