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2013 年度 実績報告書

視覚的注意による物体定位バイアスの生起機序

研究課題

研究課題/領域番号 24830054
研究機関九州大学

研究代表者

山田 祐樹  九州大学, 基幹教育院, 准教授 (60637700)

研究期間 (年度) 2012-08-31 – 2014-03-31
キーワード視覚的注意 / 空間定位 / 運動知覚 / 空間座標
研究概要

本研究の目的は,人間の視覚的空間定位のメカニズムを明らかにすることである。この目的のもと行った本年度の研究成果は,2本の査読付き論文となって公表された(Yamada, Sasaki, & Miura, in press; Yamada et al., in press)。一つ目の論文では,運動物体がある位置に来ることを予測するメカニズムが高次認知の影響を受けることを実証した。二つ目の論文では,上下方向の身体運動によって対象への認知が変容することを示した。これらの研究はともに環境と身体の空間情報が人間の認知処理と深く結びついていることを示した。また2件の招待講演によりこれまでの研究が広く国内に発表され,高い評価を受けた(山田,2013,2014)。研究成果を総合すると,本研究期間には,人間の空間認知処理システムは視対象だけでなく観察者側の身体情報や事前知識を総動員することでその対象の現在の空間位置を決定しようとしていることが示唆され,そこでは視覚的注意の空間分布が非常に大きな役割を果たすことが明らかになった。特にYamada & Kawabe (2013)では,視野内の特定の空間位置に注意が偏った際に,物体位置がずれて記憶されることを明らかにしており,上記の示唆を強く補強している。本研究によって,人間が注意を媒介として視覚的空間定位を行っていることが分かったが,その神経基盤,変調様式,身体行為との関係などが明らかになっておらず,さらなる課題として浮かび上がった(そしてこのことは本研究の予定していた範疇を超えている)。今後はこれらの実証的検討を進めていくことが強く望まれ,本研究はその礎として大きな意味を持つものである。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Weight lifting can facilitate appreciative comprehension for museum exhibits2014

    • 著者名/発表者名
      Yamada, Y., Harada, S., Choi, W., Fujino, R., Tokunaga, A., Gao, Y., & Miura, K
    • 雑誌名

      Frontiers in Psychology

      巻: 5 ページ: 307

    • DOI

      10.3389/fpsyg.2014.00307

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Time-to-contact estimation modulated by implied friction2014

    • 著者名/発表者名
      Yamada, Y., Sasaki, K., & Miura, K.
    • 雑誌名

      Perception

      巻: 43 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Gaze-cueing of attention distorts visual space2013

    • 著者名/発表者名
      Yamada, Y., & Kawabe, T.
    • 雑誌名

      Universitas Psychologica

      巻: 12 ページ: 1501-1510

    • DOI

      10.11144/Javeriana.UPSY12-5.gcad

    • 査読あり
  • [学会発表] 好きと嫌いの在処

    • 著者名/発表者名
      山田祐樹
    • 学会等名
      日本認知心理学会公開シンポジウム「認知心理学における事実と虚構の打開」
    • 発表場所
      京都大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 視空間処理と各種心的処理との相互作用

    • 著者名/発表者名
      山田祐樹
    • 学会等名
      脳のダイナミクス研究会 「ヒトの知覚のダイナミクス―リズム、ノイズ、イリュージョンから迫る―」
    • 発表場所
      山口大学
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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