本科研は、ストリートチルドレン支援を行うNGOの被支援者であった若者の就職や結婚における選択・決定の場面に着目し、社会的弱者層の若者の共同的関係性の構築過程を明らかにすることを目的とした。NGO出身者の事例からは、インドの若者が一般的に家族や親族を頼って行う選択・決定に関して、NGO出身者はNGOとの共同的関係性を選択・決定の基盤として、選択・決定の準拠集団となる共同的関係性を複数構築していることが明らかとなった。また、これらの若者は故郷の家族や親族との間にも共同的関係性を再構築しており、複数の準拠集団が相互補完的に若者の選択・決定において影響しているという仮説が生成された。
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