内的作業モデルの個人差が情報処理(表情認知)にバイアスを生じさせ,情報処理(表情認知)バイアスが社会的適応に影響を与えるという仮説の検証を行った。最初に表情認知の個人差を測定するための刺激セットの作成を行った。続いて,この刺激セットを用いた実験と,内的作業モデルと社会的適応を測定するための調査を行った。その結果,内的作業モデルが不安定であるほど(1)ネガティブ表情の判断が速く,(2)実際とは異なるネガティブな情動が表出されていると判断しやすい,(3)ネガティブ情動の読み取りが多いほど適応感が低い,という傾向が認められた。
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