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2013 年度 実績報告書

生活保護世帯に対する教育支援ネットワーク形成に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24830064
研究機関鹿児島大学

研究代表者

農中 至  鹿児島大学, 教育学部, 特任講師 (50631892)

研究期間 (年度) 2012-08-31 – 2014-03-31
キーワード公民館 / 広域行政ネットワーク / 学習主体 / 学習者 / 社会教育 / 生活保護世帯
研究概要

本年度の研究は、主として田川市議会議事録の分析および地域実践活動の歴史的分析をおこなった。また、福岡県を中心に歴史史料の収集および現代的実践に関する資料の収集・分析作業をおこなった。その結果、旧産炭地域では広域行政ネットワークを形成することで、課題の共有化と地域の実情(財政問題も含む)の道県レベルでの情報の相互共有をおこなっていたことが明らかとなった。その対象地域は、北から北海道、福島県、茨城県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県(該当自治体は荒尾市のみ)と広範囲におよぶ。生活保護世帯に対する地域レベルでの支援ネットワークの形成においては、こうした広域行政ネットワークの果たした一定の役割があったのではないかという、同時代的特徴と時代背景を明らかにすることができた。広域行政ネットワークは1950年代後半に生起したものであるが、現代社会においても広域的に問題状況を共有し、自治体間の問題を詳らかにしていくことは、生活保護世帯に対する支援ネットワークの形成を進める上で一定の意味があると思われる。また、田川市の公民館活動史料の分析の結果、1960年代の田川市の公民館活動においては、生活保護世帯住民が地域の活動に包摂されていた可能性があることが示唆された。このことは、従来社会教育の対象として看過されてきた生活保護受給者が地域活動に参加していた可能性を示すものであった。詳細は今後の質的分析を俟たなければならないが、生活保護世帯に対する支援ネットワークの一部に公民館が位置付いていた可能性がある。とはいえ、限られた史料を分析し、現代的な実践をみるなかでわかるのは、生活保護受給者を学習する主体として地域社会に位置付け、学習する権利をいかに構想するかという議論がそれほど多くはないということである。課題は多いものの生活保護受給者を学習者として位置づけられるかどうかは今後の大きな課題である。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 生活保護世帯と教育支援ネットワークの形成に関する歴史的考察―旧産炭地の事例を中心に―2014

    • 著者名/発表者名
      農中至
    • 雑誌名

      社会教育研究年報

      巻: 28 ページ: 19-33

  • [学会発表] 生活保護世帯に対する教育支援ネットワーク形成に関する歴史的考察―旧産炭地の事例を中心に―2013

    • 著者名/発表者名
      農中至
    • 学会等名
      日本社会教育学会
    • 発表場所
      東京学芸大学
    • 年月日
      20130927-20130929

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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