本研究の目的は、高度成長期における金型産業の発展を検証し、その発展要因を解明することにある。本研究では、大量生産に絶対不可欠な金型に着目しi)金型産業の産業史的分析、ii)金型企業の経営史的分析、そしてiii)量産型組立産業部門との比較分析から、高度成長期の金型産業の発展要因とその歴史的な意義を解明する。平成25年度は、主に金型産業に関する分析を拡充するとともに、比較対象の資料整理・データ構築に重点をおいた。 その結果は以下の通りである。1、(論文)Tsutomu Hirayama「Reorganization of production system in the metal mold manufacture in the first half of the high growth era.」Japanese Research in Business History、Vol.29、経営史学会、pp.101-121、2013年9月の公表。2、(論文)平山勉「高度成長期前半におけるプラスチック用金型製品市場の動向」」Research Paper Series No.125、首都大学東京経営学系、1-27 頁、2014 年2月の公表。3、(論文)平山勉「高度成長期金型製造業における労働市場逼迫への対応」『経営と制度』、首都大学東京経営学系、第12号、1-28頁、2014年3月の公表。4、博士号請求論文「高度成長期におけるプラスチック用金型産業の発展」の東京大学大学院経済学研究科への提出(2013年12月:2014年4月面接、博士号取得内定)。5、金型産業研究に関する学会報告。6、「金型産業」関連資料の収集とデータ化。7、法政大学大原社会問題研究所所蔵「ペトリカメラ工業」の資料整理、データ化および撮影。8、高度成長期の精密機械工業研究に関するサーベイへの着手。
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