アンケート項目の作成から中高生の関与を多くして、4000人規模の実態調査を2カ所で実施した。結果を元に討議する機会を多く持った。 実態調査では、従来型携帯電話(以下、ガラケー)使用者とスマートフォン使用者の違いに焦点を当てた。その結果、スマートフォン使用者が、生活習慣、インターネット上での新たな出会いという2つの面で、予想以上に危ない状況だとわかった。まず、生活習慣については、スマートフォン所持生徒の就寝時刻が遅く、勉強に自信が持てず、イライラしていることがわかった。また、ネット上での新たな出会いについても、スマートフォン所持生徒が、多く経験していることがわかった。特に女子高校生にその割合が多いこともわかった。 この結果を教職員、法律関係者、ゲーム会社、警察関係者等に示し、対応方法を検討し、その内容を中高生に示し、生徒たち自身で、対応策を話し合う機会を多くもった。自分たちで「スマートフォンの使用ガイドライン」を策定したり、スマートフォンの使い方について考えるための啓発ビデオを作成したり、さまざまな策が講じられ、実際に取り組みに発展した。 今回の研究では、取り組みの成果について検討することはできなかったので、今後の課題としたい。取り組みに関わった教職員等の関係者からは、子どもたちの状況が改善されたという報告が聞かれているので、今後は、効果検証をできるところまで踏み込んだ研究に発展させていきたい。また、取り組みの中で、学校現場から、スマートフォン使用の低年齢化とそれに伴うトラブルの変化について多く聞くことができた。このあたりへの対策も今後の課題としたい。
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