平成25年度中の研究計画は、①平成24年度中に実施した研究成果の公表、②日本の高校教育におけるキャリア教育および職業教育の課題の分析と改善に向けた提言の2点を中心にしていた。 このうち、一つ目の研究成果の公表については、日本教育政策学会およびフランス・モンペリエで開催されたIAEVG(International Association for Education and Vocational Guidance)主催の研究会にて、口頭発表を行い、国内および国外の研究者との議論の場を得ることができた。また、二つ目の課題の分析と改善に向けた提言では、東京および札幌を会場に、カナダ・アルバータ州から研究者、教育行政カリキュラム開発担当者およびキャリア教育を担当する高校教員の3名を招聘して、国際シンポジウムを開催した。参加者の多くは、高校教員およびNPO組織などでキャリアカウンセリングなどに関わる人材で構成され、普段の教育実践を推進するという視点から活発な議論をすることができた。また、北海道内の高校教員により組織されている進路指導協議会および札幌市内の高等学校からの依頼により、本研究の成果を講演という形で公表した。 シンポジウムおよび講演会で出されたキャリア教育プログラムの評価方法に関する質問事項に詳細な回答を提供するため、追加の現地調査が必要となったため、2月末にエドモントン市教育委員会およびカルガリー市教育委員会、メディスンハット市教育委員会の協力を得て調査を実施した。 このため、論文等による公表が進んでおらず、今後の研究活動における重点項目として位置づけたいと考えている。具体的には、国内のキャリア教育関連学会(例えば、日本キャリア教育学会)の学会誌への投稿と国外の教育関係の雑誌(例えば、Alberta Journal of Education)への投稿を予定している。
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