本研究では、研究蓄積の乏しい現代日本のニューカマー(移民)と宗教との関係性について、各地の宗教組織による在日外国人支援に着目して考察を試みた。そして、おもに(1)リーマン・ショック後のカトリック教会による南米系住民への支援、(2)カトリック教会や立正佼成会によるインドシナ難民の支援事業、という2つのテーマについて調査を進めた。本研究ではこれらの研究テーマを通じて、各地における宗教的な動機にもとづく人道的支援が、制度のすき間に置かれた外国人への迅速かつ広範な支援として展開しただけでなく、地域の多文化共生の一端を担ってきたことが明らかになった。
|