研究課題
本研究では,幼児期における他者からの批判的評価の受け止め方について,認知発達及び養育環境の観点から検討した。2つの研究を通じて,批判的な評価を前向きな意欲の維持や挑戦的取り組みに結びつける力の年齢差・個人差を明らかにすることを目指した。平成25年度は,養育環境が他者からの批判的評価に対する情動的反応に及ぼす影響について検討を行った。年中児と年長児を対象に,Heyman, Cain, & Dweck (1992)をもとに作成した「他者からの評価課題」を個別に実施した。また母親を対象に,発達観,子どもに対する情動表出のあり方に関する質問紙調査を行った。その結果,母親の子どもに対する情動表出のあり方と,子どもの他者(教師)からの批判的評価に対する反応との間に関連が認められた。具体的には,日常的に母親の強いネガティブ情動表出にさらされている子どもは,教師から批判的評価を受けた際に自己評価を高く保つ一方で,再挑戦の意欲が低いことが明らかになった。さらに,母親の発達観と,子どもに対する情動表出のあり方の間にも関連が認められ,子どもの能力は子ども自身の力で変化し得ると考える母親ほど,子どもに対してよりポジティブ情動を表出し,ネガティブ情動を表出しないことが示された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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