本研究では、主に1950年代から1970年代にかけての時期の東アジア・東南アジアから台湾への人の移動を題材に戦後の中華民国・台湾への華僑・華人の国際移動の実態とそれを支えた社会的メカニズムについて、経済的な次元にとどまらない、社会的な独自要因やメカニズムをマクロ・メゾ・ミクロレベルから実証的に検証した。本研究を通じて、東アジア・東南アジアにおける日本帝国の崩壊とその後の冷戦体制への編入により国際秩序が再編される過程を、大国間の関係もしくは「中心ー周縁」というモデルではなく、「周縁」間の視点から捉え直した。
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