研究概要 |
本年度は、学校運営協議会を設置した学校が相互に取組を参照しあう政策参照ネットワークの構造を明らかにするため、アンケート調査を実施した。アンケートの対象は、2009(平成21)年度以降に学校運営協議会を設置した、比較的新しい指定校である。発送と回収は郵送法を採用した。対象としては1,105校に送付した。年末年始を挟んだこともあり、途中リマインドを行うとともに、回収期間を長めにとった。この結果、513校から回収を得た。これは回収率46.4%ということになる。 アンケートの題目は「学校運営協議会の検討状況と運営実態に関する調査」である。設問としては、コミュニティ・スクールの導入に伴う検討と、現状の運営の態様を問うたもので、回答者は校長を想定している。 ここからは、学校間の相互参照の関係性が一定程度広がっていること、参照先・参照元の地理関係、参照理由、参照内容等について明らかになった。 今後は、学校の条件(当該自治体における先発校か後発校か、教育委員会主導か学校主導か、等)、参照行動の在り方(参照先・参照元の地理関係、参照理由、参照内容、等)、実際の学校運営協議会による学校ガバナンスの在り方(成果実態、校長の学校運営の在り方、等)の間にいかなる関係性があるかをさらに分析するとともに、同様の観点で数年後おきの定点観測を行うことで、地方分権・学校裁量拡大の状況下における学校相互の政策参照や知識ネットワークの構造を明らかにする必要がある。
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