本研究は教師の指導技術を一般化し共有することを目指した。漢字指導に着目して,私はインタビュー調査と分析を実施した。分析の結果,漢字に関して教師それぞれに固有の指導方法の存在が明らかとなった。 漢字の指導方法は教師が独自に編み出している。それは,発案者の教育観を反映して,独特のルーティンを構成する。それぞれのルーティンを構成する4つの方略をカテゴライズした。(1)事前指導方略(2)点検・評価方略(3)保護者との連携方略(4)指導ルーティン修正方略 さらに,教育委員会組織を利用して追跡調査を実施した結果,方略の認識が教育観の深まりに有効に作用する可能性が明らかとなった。
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