研究課題/領域番号 |
24830105
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
森口 弘美 同志社大学, 社会学部, 助教 (10631898)
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研究期間 (年度) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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キーワード | 知的障害 / 親子関係 / 自立 / 移行(Transition) / 個別移行支援計画 |
研究概要 |
1)文献研究 知的障害者の親元からの自立の現状は、近年の度重なる法制度の改正によって大きく変化している。そこで、法制度の改正に照らしながら障害のある人の子どもから大人への移行期の支援に関して文献研究を行った。移行期に関してはこれまで特別支援教育の分野で主に研究されてきており、社会福祉の側からの研究はほとんどされてこなかったため、その必要性とアプローチの視点を明らかにした。 2)資料収集 国内外の障害者の青年期における支援に関して、とりわけ親子関係を視野に入れた取り組みに関する資料や情報を収集した。英国や米国においては「Transition」というキーワードで子どもから大人への移行期に関する情報が多く公開されている。そのなかから英国の団体Mencapが公開しているTransitionに関する情報を翻訳しウェブで紹介した。障害のある子をもつ親や、あるいは障害者の親元からの自立に取り組む支援者がこうしたTransitionに関する情報にアクセスできることは、我が国において質の高い移行期の支援につながると考えている。 3)パイロットインタビューの実施 障害者の親元からの自立の支援に取り組む事業所を1か所を選定し、親元からの自立を経験した3名の障害者の親を対象にパイロットインタビューを実施した。このパイロットインタビューのデータを分析することにより、次年度に予定している調査の分析枠組みを検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は次年度に実施する調査およびその分析のための準備段階と位置付けている。文献研究や資料収集等に取り組むとともに、パイロットインタビューを実施したことで、調査分析に必要な仮説や分析枠組みを検討する準備ができた。 なお、平成24年度にインタビュー調査のフィールドを5か所選定することになっていたが、フィールドに関する資料は収集したもののフィールドを確定するまでには至っていない。今後パイロットインタビューのデータを分析することで、より適切なフィールドを確定する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
・パイロットインタビューのデータを丁寧に分析することで、適切なフィールドを確定させてインタビュー調査を実施する。また分析方法に関しても、パイロットインタビューのデータを参考にしながらより適切な質的分析の方法を確定させたいと考えている。 ・パイロットインタビューを含め、インタビューデータの一部を、調査協力者の了解を得てウェブで公開する。これから成人する障害のある子をもつ親や、青年期の障害者の支援に取り組む支援者が、「親元からの自立にまつわる経験談」に触れることで、質の高い支援の実現に寄与していきたいと考えている。
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