国内のコミュニティ・スクール制度に関する調査研究、スコットランドの保護者協議会を中心とした保護者の学校参加について調査を行った。 スコットランドについては、Scottish Parent Teacher Council(SPTC)が実施する保護者協議会メンバー、およびその他の保護者を対象に行われている研修会に参加し、そこで発せられた発言から、保護者の学校運営や教育への参加に対する意見、考えを聞き取ることを試みた。研修会に参加した保護者は概ね、自分たちが参加することで学校が変化し、積極的に意見を学校に述べていくことが必要であると考えていた。その研修会には校長も参加しており、良好な関係を築くための学校の工夫についても情報を得ることができた。また、エスニックマイノリティの保護者を対象とした保護者協議会についての理解を促す研修会も2013年より始まっている。これは、増加する移民にスコットランドの教育ついて理解させ、子供の教育への参加を促すことを目的としたスタートしたGather Togatherというプロジェクトの一つの取り組みである。これはSPTCとBMISの共同プロジェクトである。そこでの親の発言から、子供の教育には関心があり、保護者協議会の存在は知っているが、その内容までの理解が進んでいないことが明らかとなった。スコットランドにおいては、保護者協議会の存在は認知されているものの、その内容にまで理解が進んでいないのが現状であろう。 また、学校外ケアの運営に対する保護者の参加の在り方についての調査も行った。学校教育以外の場面でも、保護者の意見を教育に反映させるための制度設計がされていることが明らかになった。
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