本研究では、人が移住をするに至る心理的なプロセスを解明すべく、日本本島から沖縄県への移住者にインタビュー調査・アンケート調査を実施した。移住者に対する調査の結果、移住の動機には「ビジネス・勉強型」(仕事や進学のため)、「同伴型」(移住する家族と一緒に)、「逃避型」(ネガティブな出来事から逃れるため)、「療養・セカンドライフ型」(病気の療養などのため)の4パターンが主に見いだされた。このパターンと沖縄への適応状態の関連について分析した結果、「ビジネス・勉強型」のような具体的な目的を持って移住をした人はむしろ、移住後しばらくして深刻な不適応状態を経験する傾向があることなどが明らかにされた。
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