| 研究概要 |
平成24年度に構成に成功したランダム環境中のスーパーブラウン運動に関して詳しく研究した.
スーパーブラウン運動は測度値確率過程であり、古くから多くの研究がなされてきた. そのランダム環境の下での構成はMytnikが1999年に連続モデルであるランダム環境中の分枝ブラウン運動から構成し, 色つきノイズの確率偏微分方程式の解になることを示した. 本研究では離散モデルであるランダム環境中の分枝ランダムウォークからホワイトノイズの確率偏微分方程式の解になるようなものを構成した. またこれらの違いからその性質には大きな隔たりがある.
ランダム環境中のスーパーブラウン運動はその測度値確率過程としての性質だけでなく, ある確率熱方程式の解になっているということで幅広い興味の対象になっている.
特に強調しておきたいことはMueller, Perkinsらによって初期値が``よい密度”を持つようときに解の存在が確認されていたが, 今回の研究により初期値が有限測度を持つものに対して解の存在を示した.また平成24年度の時点でその解の一意性に関しては未解決のままであった. そこでその一意性に関する研究を行った.
その結果, 弱い意味での一意性がわかった. 特に初期値が有限測度である場合の確率熱方程式の非負値解の一意性が言えた. このような一意性が示されているものはほとんどないが今回の研究により一つの例を増やすことができたことは大変意義がある.
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