カンブリア紀よりも前の地層は化石が乏しいため異なる地域間の地層対比は難しい。凝灰岩などの火成岩も豊富には無いため、本研究では黒色頁岩中に含まれるレニウムとオスミウムの同位体比測定を通じてアイソクロンによって年代制約を試みた。 南中国三峡地域にて採取した掘削試料から粉末試料を作成し、海洋研究開発機構の表面電離型質量分析計を用いてレニウムとオスミウムの同位体比測定を行った。その結果、従来年代の決まっていなかったDoushantuo Fm上部に5.78億年前、Shuijingtuo Fm最下部に5.12億年前と堆積年代を制約できた。この手法はカンブリア紀以前の地層に年代を与える有効な手法である。
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