正の整数点での2重のルート系のゼータ関数とDirichletのL関数との関係式についての考察を行った。このような、2重のゼータ関数を1重のゼータ関数(リーマンゼータ関数やDirichletのL関数など)を用いて表すという研究は盛んに行われており、まだまだ未解決の部分が多い。今回は、この関係式を与えるために、ベルヌーイ多項式や三角関数の明示式などを用いて考察したが、2重のルート系のゼータ関数とDirichletのL関数との関係式についての新しい結果は得ることができなかった。 しかしながら、そこで考えた方法でDirichletのL関数のある平均値の明示公式を与えることができた。ここでは、特に、そのような平均値をジョルダンのtotient関数を用いた明示公式を与えた。また、これを用いることで、2重のDirichletのL関数のある平均の明示公式を与えることもできた。特に、この2重のDirichletのL関数はEuler-Zagier型の2重のゼータ関数の一般化になっており、ルート系のゼータ関数とも関わりがある。 実際に、このような2重のDirichletのL関数の平均は指標を上手く取ることにより、G_2型のルート系のゼータ関数の変数の2つを残した和で表すことができる。つまり、G_2型のルート系のゼータ関数と関係する2重ゼータ関数のいくつかの和をジョルダンのtotient関数を用いて明示的に表すことができるという結果を与えた。この結果は最初に期待していた明示公式には及ばないが、2重のDirichletのL関数とジョルダンのtotient関数の関係を表した興味深い結果である。
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