最終年度として、50を超える新規金イソシアニド誘導体を合成し発光特性とメカノクロミズム特性の評価を行った。その結果、40種以上の新規錯体がメカノクロミズムを示すことを見出した。詳細な調査の結果、アミノ基やニトロ基など含窒素置換基が導入された錯体では、メカノクロミズム特性が現れないことがわかった。また、発光波長に関しては、置換基の電子的効果よりも結晶構造に強く依存することを見出した。つまり、金錯体の発光特性のチューニングするためには、置換基の電子的な効果ではなく、結晶構造をデザインすることが効果的であることが明らかとなった。
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