層状の無機結晶を1枚ずつ剥離すると、無機ナノシートが得られる。1枚の無機ナノシートの面内は無機結晶と同じ結晶構造を有するが、高い形状異方性により、1枚1枚は非常に柔らかいと推定される。本研究では、1枚のナノシートが液体中でどのような構造をとっているかということを調査し、散乱法から得られる液中での構造と、顕微鏡法により得られる乾燥状態での構造を比較した。その結果、多くの場合において、液中での向きナノシートから得られる散乱情報は、偏長楕円体モデルにより再現できることが明らかになった。これは、液中と乾燥状態での形状が大きく異なっていることを示唆する結果である。
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