• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

圧子押込み試験による耐水素脆化層評価法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 24860004
研究機関東北大学

研究代表者

高桑 脩  東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60633518)

研究期間 (年度) 2012-08-31 – 2014-03-31
キーワード水素脆化 / 圧子押込み試験 / 降伏応力
研究概要

水素は金属材料中に容易に侵入し,静的強度や疲労強度などを低下させる水素脆化を引き起こすことが知られている。水素脆化による損傷は環境助長割れと呼ばれ,プラントなどの腐食環境下で使用される構造物において発生する。また,高強度鋼の遅れ破壊の原因でもある。
近年では,環境負荷低減を目指した水素社会の実現が望まれており,水素を有効利用する燃料電池自動車や定置用燃料電池の実用化が重要課題として注目されている。そのために水素ステーション用貯蔵タンクやパイプラインなどのインフラ設備の整備が必要である。しかしながら,上記のように水素環境での金属の使用は水素脆化を起こす可能性があるため,その材料の選定や規格化が急務であるとともに,水素脆化を抑止する技術の開発および金属材料の水素脆化敏感性評価も同じく重要である。そこで本研究課題では圧子押込み試験を用いた耐水素脆化層の評価法を構築することを目的とする。
2012年度は,水素添加したステンレス鋼SUS316Lに対し,水素添加時間を変化させながら圧子押込み試験およびマクロ歪測定を行い,逆問題解析を用いた降伏応力推定法により水素がSUS316L表面層の機械的特性に及ぼす影響を明らかにした。その結果,水素添加前では300MPa程度であった降伏応力が水素添加時間の増加に伴って増大し,48時間後には600MPa以上となり,水素侵入により表面層が大きく硬化することがわかった。さらに圧縮のマクロ歪が導入され,48時間後には100MPa以上の圧縮マクロ歪が残留した。また,水素添加終了後に放置し,14日後には降伏応力,マクロ歪ともに元の状態に戻ることがわかった。したがってこの変化は水素による物理的な可逆変化であることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
理由

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] An Indicator for the Suppression of Fatigue Crack Growth by Hybrid Peening2013

    • 著者名/発表者名
      Osamu TAKAKUWA, Kouhei YAMAMIYA and Hitoshi SOYAMA
    • 雑誌名

      Journal of Solid Mechanics and Materials Engineering

      巻: 7 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1299/jmmp.7.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Optimizing the conditions for residual stress measurement using a two-dimensional XRD method with specimen oscillation2013

    • 著者名/発表者名
      Osamu TAKAKUWA and Hitoshi SOYAMA
    • 雑誌名

      Advances in Materials Physics and Chemistry

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [学会発表] オーステナイト系ステンレス鋼の極表面層における機械的特性への水素の影響2013

    • 著者名/発表者名
      高桑脩,眞野優太,祖山均
    • 学会等名
      日本材料学会第62期学術講演会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20130518-20130519
  • [学会発表] ステンレス鋼表面層の降伏応力における水素の影響2013

    • 著者名/発表者名
      眞野優太,高桑脩,祖山均
    • 学会等名
      日本機械学会東北支部第48期総会・講演会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20130315-20130315
  • [学会発表] 気中キャビテーション噴流によるステンレス鋼の水素脆化抑止2013

    • 著者名/発表者名
      高桑脩,祖山均
    • 学会等名
      2012年度ウォータージェット技術年次報告会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20130125-20130125
  • [備考] 東北大学祖山・高桑/青柳研究室

    • URL

      http://www.mm.mech.tohoku.ac.jp/

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi